たからづか牛乳の美味しさの秘密はいかに搾ったままの生乳に近づけているかです。
この牛乳の殺菌温度は63℃です。これは法律で決められた最低の温度で、いわゆる低温殺菌という殺菌方法です。有用生存殺菌なのでミネラルが死滅せず、本来牛乳のもつ成分が生きてます。
一般に流通されている牛乳は「130℃で2秒」のいわゆる高温殺菌という殺菌方法です。どちらが良い悪いとは申しません。私達は牛乳本来の搾りたてに近いものをお届けするため、前者の殺菌方法で製造しています。
また、ホモナイズ(脂肪の均一化)をしていないため上層部にクリーム層がたっぷりできるんです。ちょっとした自慢でもあります。搾りたての牛乳は暫くそっとしておくと同様にクリーム層ができますから、これが本来の牛乳の姿なのです。
手順としては毎日、牧場で5℃に冷やされた生乳をやさしく、やさしく100℃のスチームでゆっくりと70分かけて63℃までもっていきます。短時間で急激に温度を上げると効率は良いのですが、牛乳の本来のまろやかさが損なわれてしまいます。なので、効率は求めず、ゆっくりと、ゆっくりとです。
そして63℃にした牛乳の温度を一定に保つためには、スチームを出す量、時間、停止するタイミングがポイントになってきます。
乳量や気温は毎日違いますのでそこは経験と勘がたよりです。
もし、1℃上がってしまうと全く違った牛乳になってしまうので・・・。またクリーム層が少なかったり、飲んだ時の後味がとがって舌にいやな臭味が残ります。
そんな大変面倒な作業ですが、美味しいお乳を出してくれる牛達と、それを美味しく飲んでいただけるお客様に感謝しながら、私達はこのアナログな方法で毎日殺菌しています。手間は惜しみません。